川上未映子

KAWAKAMI MIEKO

作家

Who she is

焦らず「いま」を大切に

作家の川上未映子さん。女性の身体や母娘の関係性を描いた芥川賞受賞作の『乳と卵』にはじまり、『きみは赤ちゃん』では妊娠と出産の体験をエッセイとしてつづり、文芸誌『早稲田文学』では女性のみが書き手として参加する「女性号」の責任編集を務めるなど、「女性」としてのメッセージも数多く発信されてきました。しかし、その根底にあるのは一人の「人間」として抱いた世界への疑問や興味。書くことを通じてその一つひとつと全力で向き合う川上さんの原点には、「世界に何かを返したい」「でも、うまく形にならない」というフラストレーションを抱えた10代から20代にかけての経験がありました。

What she has experienced

42才の私からあの頃の私へ

川上さんは20代の終わり頃まで、思うように前に進めず、苦しい日々を過ごしていたといいます。高校を卒業してすぐ自立しなければならず、さまざまなアルバイトを掛け持ちしながらも、続けていたバンド活動。26歳で歌手としてメジャーデビューしましたが、なかなか売れなかったとのこと。「書くこと」と出会ったのは、20代もいよいよ終わりという頃でした。目の前の大事なことに納得いくまで向き合われたからこそ、訪れた出会いだったそうです。そんな川上さんが、当時の自分、そしてあらゆる年齢のすべての女性に宛てて、手紙を書いてくださいました。

Profile

1976年生まれ。2002年、ビクターエンタテインメントより歌手としてデビュー。2006年、エッセイ集『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』(ヒヨコ舎)を出版。2007年に処女小説『わたくし率 イン 歯ー、または世界』(講談社)を刊行、2008年に『乳と卵』(文藝春秋)で第138回芥川龍之介賞を受賞。その他の受賞作に『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』(青土社、中原中也賞)、『ヘヴン』(講談社、芸術選奨文部科学大臣新人賞・紫式部文学賞)、『水瓶』(青土社、高見順賞)『愛の夢とか』(講談社、谷崎潤一郎賞)、『あこがれ』(新潮社、渡辺淳一文学賞)など。

I choose how I shine

私の輝き方は、私が選ぶ。